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- 2023/03/27
- お墓のこと
お墓の改葬の手続きは面倒?手順と費用相場を知っておこう
近年では都市の過密化の影響を受けて、田舎の実家にあるお墓をもっと近い場所に移す人が増えています。
確かに先祖のお墓が地方にあると、毎年お墓参りをするのも大変になりますね。
お墓を移すことは改葬と呼ばれますが勝手にはできず、「墓地、埋葬等に関する法律」の第五条により自治体からの許可が必要となります。
そこで、お墓の改葬にかかる費用は実際どのくらいか、手続きの手順はどうなのかなどをお伝えしていきます。
お墓を移すことはよくないの?
古くからお墓を移すことはよくないということを聞いたことがあるのではないでしょうか?
一般的に、故人の魂がお墓や位牌そのものに宿っているからと考えられているからです。
ですが、墓じまいをするときに僧侶によって閉眼供養(魂抜きもしくは根性抜き)を行いますので問題ありません。また、新しいお墓には改めて開眼供養を行うこととなります。
お墓の改葬に必要な費用
お墓の改葬といってもお墓を撤去して移すだけの費用だけでなく、お布施、離檀料、行政手続きなどの諸費用がかかることを覚えておきましょう。
メインとなる改葬費用
まず、遺骨を今のお墓から取り出すために3万円~5万円ほどが必要で、墓石があれば撤去工事に墓地面積1㎡あたり、8万円~15万円ほどの費用がかかります。
また、改葬先の費用は選ぶお墓のタイプによって異なりますが、5万円~300万ほどと金額に大きな差があります。
改装に必要な諸費用
お墓を移すために閉眼供養(魂抜き)をしてもらい、改葬先でも開眼供養(魂入れ)が必要となるため、僧侶にお布施がそれぞれ3万円~5万円ほどになります。
また、寺院でお墓を管理している場合は檀家を離れるため離檀料が必要で、相場としては通常法要の金額の2~3倍となります。
さらに、改葬のために行政手続きが必須となりますので、その費用もわずかですが準備しておきましょう。
お墓の改葬に必要な手続きと手順
お墓の改葬には決まった手順がありますので順に紹介していきます。
1.納骨先(改葬先)を決め、証明書・権利書を発行してもらう
改葬の各手続きに移る前に、まずは改葬先を決めることがとても大切です。
永代供養墓、散骨、樹木葬、納骨堂…などさまざまな選択があり費用も異なりますので、家族や親族と十分相談して決めるようにしましょう。
また、交通の便がよく、お墓参りしやすいという条件で供養ができる場所を考慮にいれるとよいです。
納骨先から受け入れ証明書(墓所使用許可書)あるいは権利書(永代使用承諾証)を発行してもらうことでお墓の移転が決定します。
2.墓地を管理している寺院や霊園に埋葬証明書を発行してもらう
改葬先が決まったらお墓の管理者である寺院や霊園に連絡して、埋葬証明書を発行してもらいましょう。
埋葬証明書は役所からの改葬許可書を発行してもらう際に必要なものとなります。
3.お墓を建てる場合は業者と打ち合わせをする
新しくお墓を建てるなら時間がかかるため、出来るだけ早く業者に連絡をしてスケジュールの打ち合わせをしておく必要があります。
デザイン、費用、納期など間に合わせることも大事ですが、納得のいくようにしっかり話し合いましょう。
4.新しい墓地の管理者へ改葬の連絡をする
納骨先の施設によっては受け入れ証明書や権利書があっても事前に埋葬の予約が必要なこともありますので、改葬の日程について先に連絡を入れておきましょう。
年末年始やお彼岸の時は納骨を引き受けないところもありますので、事前に確認しておくとよいです。
5.今のお墓がある地域の役所で改葬許可証を取得する
改葬する前のお墓に眠っているご遺骨の人数分を確認してから、役所で改葬許可証を申請します。改葬許可証はご遺骨の数の分だけ必要になるからです。
申請するのに、埋蔵許可書や受け入れ証明書が必要なこともあるため、事前に役所に問い合わせて準備しておきましょう。
6.新しいお墓の管理者に改葬許可証を提出する
役所からの改葬許可証を手に入れたら、新しいお墓の管理者へ改葬許可証を提出します。
これまでの手続きが終われば、実際にお墓を引越しすることができます。
お墓の改葬の時の服装
墓じまいをする工事の日は、フォーマルな服でなくてもそれに準じる平服であれば問題ありません。
平服というのは、基本的に派手な色ではなく、黒・紺・グレーなどの落ち着いた色のスーツやワンピース、制服などです。
工事の日に僧侶を招いて閉眼供養も行うのであれば喪服のほうが望ましいでしょう。
まとめ
改葬するときは法律を守るためにきちんとした手続きをふむことを忘れないようにしましょう。
納骨先や役所に連絡したり、証明書を発行してもらったりと面倒かもしれませんが、お墓を引越しさせることでご先祖との距離が縮まるように感じられると思います。
また、今まで遠くてなかなかお墓参りができなかった方でもお墓が身近になることできっと安心できるでしょう。