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2023/04/21
お墓のこと

墓じまいでトラブル回避したい!未然に防ぐ方法とは



墓じまいは一存で決めることができない重要なイベントであり、周りの人を必然的に巻き込みますので、親族、管理している寺院、石材店などとトラブルが起きやすいです。

問題なくすんなり墓じまいができることが理想ですが、関係する人たちとトラブルを起こさないために、どんな原因やケースがあるのかご紹介します。

また、トラブルを未然に防ぐために何に気を付けるべきかも含めてお伝えしていきます。

親族との墓じまいトラブル

墓じまいでもっとも多いトラブルは「親族間のもめごと」だといわれています。

親族に墓じまいを相談したときに賛同を得られないことも多々あるため、トラブルはよく起こりがちです。

特に、若い世代と年配の世代では、お墓に対する考え方のギャップがあるため意見が衝突しやすいです。

墓じまいを勝手にやってしまう

親族と元々付き合いがなく、話し合いをしないまま墓じまいを強行して、親族が墓地に行ったときに墓がなくなっていることに気づくことがあります。

ただし、親族が墓地使用権をを祭祀(さいし)承継者に任した場合、祭祀承継者が勝手に墓じまいしても法律(民法第897条)で保護されるため問題はありません。

墓じまいの費用負担を巡って

墓じまいをするとき改葬先を散骨や永代供養にすれば、まだ費用は少なくて済みますが、100万円以上かかるケースもあります。

親族間において費用負担についてトラブルが起きやすいため、事前に話し合いをして負担額を決めておくほうがよいです。

墓を撤去するへの不満

墓じまいすることによって、今までのようなお墓参りができなくなることへの不満でトラブルになることがあります。

特に、都市部に住んでいる人が墓じまいをして田舎から都市部に改葬すると、田舎の親族にしてみれば不便な場所になるために反対されます。

このような場合、事前にわかっているなら、墓じまいをせずに遺骨を分骨して今までのお墓と都市部のお墓と両方に納骨することも可能です。

寺との墓じまいトラブル



墓じまいをするときにお寺とのトラブルもよく発生します。

特に多いのは、離檀料が高額すぎるというトラブルですが、他にも遺骨を引き渡してもらえない、未納管理費などを遡って請求されるという問題もあります。

離檀料が高額すぎる

お寺も近年、経済事情が厳しいため、墓じまいする人に高額な離檀料を請求するという事も起きています。

離檀料とは檀家をやめるときにお寺に払うお布施のことで、相場としては10万円〜30万円ほどです。

ですが、実際に200万、300万を請求された人もいて、払えないというとローンを組んで支払うよう言われたということも聞きます。

遺骨を引き渡してくれない

高額な離檀料の請求はされなくても、住職が墓じまいに協力してくれずに遺骨の引き渡しをしないというトラブルもあります。

また、埋蔵証明書を交付してくれない限り、改葬ができませんのでやっかいです。

滞納していた管理費を遡って請求する

もし、長年にわたって管理費が未納であって、お墓も放置されていたならば、滞納していた管理費を遡って請求されることがあります。

ですが、請求されたら今まで管理してくれたお寺への感謝の気持ちとして、きちんと支払うほうがトラブルにならずに済むでしょう。

石材店との墓じまいトラブル



墓じまいの際に石材店からぼったくられた、ずさんな工事で後になってトラブルが発生したという声も聞きます。

お墓の撤去工事費用が高額である

墓じまいの工事費用の相場は20万円ほどであり、撤去費用に加えてお布施、離檀料、改葬先のお墓の費用などが必要とされます。

ですが、石材店を適当に選んでしまった結果、数百万円ほどの費用が発生してしまうケースもあります。

いい加減な工事や不法投棄

自分で見つけた石材店は工事がずさんで、他の墓石や墓地の共用部にまで損害を与えてしまうことがあります。

また、処分する石材は本来産業廃棄物として処理されないといけないのですが、山中に不法投棄することもあるようです。

その場合、やっかいなトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。

墓じまいのトラブルを未然に防ぐためにできること



墓じまいの際に起こりそうなトラブルは予め対策しておきましょう。

親族とのトラブルを未然に防ぐ

親族の意見を肯定しながら、墓じまいの理由やメリットを丁寧に説明しましょう。これからきちんと供養したいからこそ墓じまいをするということを伝えられるとよいです。

思い切って相談してみることで、親族の中でお墓を継承してくれる人が出てくるかもしれません。

お寺とのトラブルを防ぐ

お寺では事前に丁寧にあいさつをして、相談するようにしましょう。

檀家の減少はお寺にしてみれば切実な問題です。ですので、日ごろお参りに行けなかったことのお詫び、そして大変お世話になったことへの感謝の気持ち、墓じまいの正当な理由をしっかり説明するとよいです。

誠実さや謙虚さが伝わるようにすれば未然にトラブルを防ぐことができます。

石材店とのトラブルを防ぐ

粗悪な石材業者もたくさんありますので、お寺が指定した石材店に依頼するようにしましょう。

ただ、墓じまいをする際は、お寺と指定石材店がタッグを組んで、高額な工事費を請求し、お寺が代金の一部を受け取ることもあります。

金額がおかしいと思ったときは、他社からも見積もりをとって減額を求めたり、無理であれば消費者センターや弁護士に相談するとよいです。

まとめ

墓じまいは単独で決めて簡単に出来るものではなく、多くの人が関わるためトラブルが起きやすいといえます。

大切なことは、墓じまいをする理由を丁寧に説明することです。実際に困っているから墓じまいをして、これからも故人を大切にして供養していきたいという気持ちを親族やお寺の住職に伝えることです。

ですが、トラブルが起きてしまったときは、お墓に関する知識が豊富な弁護士に相談すると安心できるでしょう。