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- 2023/06/22
- お墓のこと
お墓の納骨室の開け方と自分で開けたときにやるべきこと
墓じまいをするとき、新しく納骨をするときなどがお墓の納骨室(「カロート」)を開くタイミングとなります。
ですが、納骨室を開く機会は頻繁にないため、開け方が分からないという人も多いかもしれません。そもそも、お墓だから自分で開けてもいいものか、と思う人もいるでしょう。
そこで、今回はお墓のタイプごとの納骨室の開け方や納骨室を開いたときにやるべきことなどを解説していきたいと思います。
お墓の納骨室「カロート」は自分で開けてよいものか
お墓には納骨室、別名「カロート」と呼ばれる、故人の遺骨を保管するための空間があり、自由に開閉できる扉が備え付けられています。
所有している納骨室は自分で開けることができますが、特別な用事がなければ開けることはならず、また他人のお墓の納骨室を勝手に開閉してはいけません。
所有のお墓であっても、中の遺骨を勝手に持ち出すことは法律で禁止されていますので、開ける際は、まず住職やお寺の許可を得るようにしましょう。
お墓の納骨室を開けるのに業者に依頼する場合
納骨室は自分で開けてよいですが、大きなお墓ですと数十キログラムほどの重い石を移動するのにひと苦労です。
また、手を石の間に詰めたりするなど怪我の危険を伴うため、無理そうだと判断したら迷わず業者に依頼するほうが無難です。
業者に依頼する際の費用は、5000円~となりますが、骨壺の移動なども行う際は別料金を請求されることもあります。
まずは、お墓の建立をしてくれた業者に問い合わせ見積もりをしてもらうとよいでしょう。
お墓の納骨室の開け方
納骨室は全国どこも共通した造りになっているわけではなく、大きくは関西タイプと関東タイプに分かれます。
関東式は関西式よりも骨壺が比較的大きく、お墓の下に大きなカロートがあるのが特徴的です。
関東式
関東式は納骨室の多くが地下にあるタイプです。お墓のふたにモルタルかゴムの接着剤が塗られており、石のズレ防止と水からカロートを守っています。
和式のお墓の場合は、香炉を手で持ってほかの場所に移動し、ふたの石のバールなどを挟んで「てこの原理」を使って持ち上げて開けます。
一方、洋式のお墓の場合は。香炉は花立とひとつずつ外して別の場所に移動し、ふたの石を斜めにずらしていくだけです。
関西式
関東式に比べて、納骨室は半地下にある浅いタイプが多いです。開け方ですが、花立の石を右か左のどちらかにスライドさせるとお墓の中の空洞がみえます。
関西式は関東式よりも労力も手間もかからず、誰でも簡単に開けることができることが特徴です。ただし、お墓を傷付けないように、慎重に、無理せず行いましょう。
納骨室がないときはどうやって開けるのか
お墓の中には、納骨室がないお墓もありますが、このタイプはかなり古く、明治時代のお墓によくみられます。
墓石がある場合はその真下、土饅頭のように土がこんもりと盛られている場合もその真下に遺骨がある可能性が高いといえます。
このような土葬の場合は、パワーショベルカーで地下2メートルほど掘る必要があり、非常に大掛かりな作業となります。
遺骨が出てきたら手作業で遺骨を集めることになりますので、遺骨を傷つけないように慎重に掘る必要があるでしょう。
納骨室を開けたときにぜひやっておきたいこと
納骨室は数人で開けなければならないほど大変なこともあります。せっかくの機会ですので、掃除や空気の入れ替えをしておきましょう。
納骨室内の清掃
納骨室は滅多に開けないところですからホコリやクモの巣があります。また、湿気が溜まってカビが生えやすいところでもあります。
ですので、納骨室を開けたら新鮮な空気を中に取り込み、その間に柔らかい布などを使って室内を丁寧に掃除しましょう。
特に、カビをそのまま残したまま密閉してしまうと、内部から腐食するため、これを機にきれいにしておくことが大切です。
骨壺の水抜き
納骨室にある骨壺内には、湿気のせいで水が溜まりやすくなっています。
ですので、納骨室を開けた際は、骨壺の蓋をしっかり押さえて横向きにし、少しずつ水抜きするとよいです。
水抜きは慎重にしないと、蓋が万が一開いてしまうと遺骨がバラバラ飛び出す危険があります。
まとめ
お墓の納骨室の扉は簡単に開けられるタイプ、複数で開けるようなタイプに分かれますので、所有しているお墓はどちらのタイプなのか確認しておきましょう。
また、石の扉が重くてひとりでは無理そうだと判断したときは、複数人もしくは業者に依頼して開けてもらうほうが無難です。
お墓参りのついでに納骨室を開けて空気の入れ替えや掃除をすることで、きれいを保つことができますし、そのほうが故人も喜ばれるに違いありません。