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2022/07/23
お墓のこと

墓石の撤去方法は?かかる費用や相場についても詳しく解説

墓石の撤去が必要になった場合、どのような方法でおこなえばよいか、また、撤去にかかる費用や相場はいくらぐらいかかるのか、わからないため不安に感じる方もいるかと思います。

少子高齢化が進む現代、さまざまな理由でお墓を処分しなくてはならなくなったというケースは少なくありません。一方で、いったい何から手を付けてよいかわからない、というのが実情でもあります。

この記事では、墓石の撤去方法やその手順、費用相場などについてわかりやすくお伝えします。


墓石の撤去にかかる費用相場

墓石の撤去を行う際は「閉眼供養料」「離檀料」「墓石の解体料」などの費用が必要となります。

閉眼供養は墓石を撤去する際に行う法要で、その費用はお坊さんにお経を読んでもらう際のお布施となりますのであくまで気持ちの問題ですが、一般的には3万円から5万円が相場とされています。

墓石を撤去して檀家を抜ける際の離檀料についても金額は特に決まっていませんが、長年お世話になった感謝の気持ちとあわせ、埋葬証明書を発行してもらうことの手間なども考慮して、10万円から20万円が相場とされています。

墓石の解体料については、一般的に1平方メートルあたり10万円から15万円程度が相場です。ただし、墓石が斜面や入り組んで作業のしにくい場所にある場合には、料金が割増になるケースもありますので、墓石の撤去に関してお寺から特に石材店の指定がない場合は、複数の業者から見積もりを取って比較するのがよいでしょう。


墓石の撤去費用は誰が払うべきか?



墓石の撤去をおこなうことができるのは、そのお墓の所有者です。そのため、墓石の撤去費用を誰が払うのかという点に関しても、負担するのはその所有者であると考えるのが一般的です。

お墓の所有者は法律上「祭祀継承者」と呼ばれています。通常はその家の当主となる人が継承者となりますが、必ずしも当主である必要はなく親族間での話し合いで決められる場合もあります。

墓石を撤去する際には、継承者がその責を負いますが、撤去にかかる費用負担に関しては継承者一人に限らず複数人で分担して行うことも可能です。この場合は兄弟や親族の間での分担がよく見られるケースです。

このほか、撤去にかかる費用分を故人が予め用意しておくケースも見られます。これは自分の後の世代に負担をかけたくないという配慮によるものです。

墓石を撤去する必要はあるものの、自分たちでは費用が工面できないという場合があるかもしれません。その際は、自治体から補助金が出たり、銀行のメモリアルローンが利用できたりするケースもありますので、相談してみるのも一つの方法です。


墓石撤去の方法と流れ



今ある墓石を撤去することを「墓じまい」といいます。墓じまいは一般的に「各種書類の取得」「墓地管理者への通告」「閉眼供養」「墓石撤去」「新たな改葬先への移転」という流れで進められます。詳細についてその方法を確認していきましょう。

墓石の撤去にあたっては、お寺や霊園、自治体から「埋葬証明書」「受入証明書」「改葬許可書」等の書類を取得することが必要になります。

埋葬証明書

埋葬証明書は墓石を撤去して別のお墓に遺骨を移す場合に必要で、撤去元の市区町村から取得します。

受入証明書

受入証明書は撤去後に新たに墓を建てたり、永代供養を依頼したりする場合に必要で、移転先の寺院や霊園から発行してもらいます。

改葬許可書

遺骨を取り出す際と新たに納骨する際に必要な改葬許可書は撤去元の市区町村から取得します。


書類の取得と並行してお寺や霊園などの管理者に墓じまいすることを知らせます。その後、墓石に宿る仏様の魂を抜いて普通の石に戻す「閉眼供養」の法要を行い墓石を撤去、新たな改葬先へ移転したり散骨したりといった手順を踏んで墓じまいが完了します。


墓石を撤去する際の注意点



墓石の撤去には注意点もあります。第一に必要なのが親族の了解を取り付けることです。お墓は親族全員の共有財産でもありますので、独断で行わず事前に同意を取り付けて、今後の親戚付き合いに禍根を残すことのないよう配慮しなくてはなりません。

さらに今あるお墓の住職や、墓地の管理者への事前相談も欠かせません。墓石を撤去するということは、取りも直さずお寺の檀家を辞めるということです。この場合は「離檀手続き」という手順を踏む必要が生じてきます。

離檀して墓石を撤去する際は石材店を指定されるケースがありますが、特に指定がなければ複数の解体業者から見積もりを取って決めることになります。

ただし、あまりにも費用が安すぎる業者は、解体作業が雑だったり、まれに不法投棄を行ったりというトラブルが懸念されることもありますので、地元で信頼できる石材店の中から依頼するのがよいでしょう。


まとめ

この記事では、墓石を撤去する際の方法や手順、撤去にかかる費用や相場について解説しました。

墓石は自分の都合だけで撤去できるものではなく、事前に親族の了解を取りつけたり墓地の管理者へ報告を行ったりすることが求められ、法律に関わる書類も各種用意しなくてはなりません。

撤去に必要な資金もある程度必要になりますので、漏れのないよう準備を整えましょう。